FCP-019 不老の少女
Character Class Safe
FCP-019はエリアB-ルーム6に収容されます。ルーム内は人型FCP収容手引書に基づいてレイアウトされ、抗魔力剤がコーティングされた家具が使用されます。食事の配給はFCP-019から要望がない場合は行わなくても問題ありません。FCP-019-Iの出現が確認された場合、室内に設けられた地下通路入り口を解錠し、FCP-019をルーム86へと誘導してください。FCP-019がルーム6へ帰還した場合、地下通路入り口を施錠してください。
FCP-019は紫色の瞳を持ち、赤紫色の髪をツーサイドアップにした15歳前後に見える人間です。FCP-019自身が覚えていないほど昔から不老状態になっており、FCP-019の正確な年齢は不明です。
FCP-019は想像具現化魔法を用いて、様々な効果・属性の魔法を使用することができます。食事の際は基本的にこれを用いて召喚した料理を食べています。想像具現化魔法を介さなければ魔法を使えないため、即死効果のある魔法、効果範囲が広すぎる魔法、FCP-019が効果を理解できない魔法、FCP-019が存在を知らない魔法は使用できません。FCP-019の自然魔力回復力は非常に高く、魔力が枯渇することはありません。魔法が使えない状態は、専らFCP-019の脳が疲れている時だけです。
FCP-019は不定期で人格が変化し、各人格はFCP-019の文末にA〜Jを振り分けて区別されています。FCP-019はこれを「極度の気分屋のようなもの」と捉えており、多重人格であることを否定しています。これは唯一記憶が共有されていないFCP-019-Cも同様です。唯一、FCP-019-Fのみ多重人格であることを認めています。FCP-019-A~Jについては補遺019を参照してください。
FCP-019はFCP-020との距離が20mより離れた場合、梅鼠色の瞳と焦げ茶色の髪となり、魔力を失います。FCP-019のヒアリングから、これはFCP-019がFCP-020と契約する前の姿であると予想されます。FCP-019はFCP-020と離されることを嫌い、無理に引き離そうとすると魔法を用いて抵抗します。現状FCP-019とFCP-020が一緒に居ることによる不利益は確認されていないため、両者を許可なく引き離すことは禁止されています。実験などでFCP-020のみが必要な場合は、FCP-019に承諾を得てください。
―あの公園で彼女の姿を見た時、私は我が目を疑いました。ピースをする幼い祖父の後ろに映り込んだ中の一人と、彼女は全く同じ姿でしたから。色褪せた白黒写真でもわかるほど、髪型も服装も、彼女はそのままだったんです。―エージェントRalph
補遺019:FCP-019-A~Jの人格に関して
FCP-019-A:FCP-019の基本人格です。特筆すべき問題点はありません。
FCP-019-B:熱血キャラと呼ばれるものに似た人格です。ヒアリングや実験に対して熱心に協力するように振る舞いますが、話を最後まで聞かずに行動することが多く、想定外の事故を起こしかねません。音声記録の場合、記録終了後に音量調整を行う必要があります。
FCP-019-C:マイペースな人格です。他の人格と記憶を共有していない唯一の人格で、起床から就寝まで他の人格に変化することはありません。日付が飛んでいることに関しては気にしておらず、記憶上で冬がたった一日だったとしても平然としています。西暦を含めて日付を聞かれた場合、この人格であることが確定します。
FCP-019-D:明るく幼い人格です。精神年齢は推定で8歳です。清掃の手伝いを申し出る、FCP-026のスイーツを魔法で再現するなど、他者を喜ばせようとする振る舞いを多く見せます。脱走防止のため、FCP-019-Dからの提案は全て断ってください。
FCP-019-E:男性に似た人格です。口調や振る舞いなどはほぼ男性のそれですが、一人称は変化しません。FCP-019-A同様、特筆すべき問題点はありません。
FCP-019-F:落ち着いた人格です。精神年齢は推定で30歳後半です。全ての人格を把握しており、FCP-019-Iの行動を影から抑制するなど職員に対して協力的に振る舞います。不必要な情報は与えないように留意してください。
FCP-019-G:イタズラ好きな人格です。相手をからかうような発言や魔法を用いたイタズラが多く見受けられます。なるべく理性を保ち、逆上しないように振る舞ってください。お詫びと称して差し出される料理は受け取るだけに留め、口にしないでください。
FCP-019-H:面倒くさがりな人格です。声を発することさえ面倒とし、会話は筆記やジェスチャーで端的に終わらせようとします。9:00を過ぎてもベッドから動かない場合、体調に問題がなければこの人格であることが確定します。
FCP-019-I:最も危険な人格です。他者との意思疎通を拒み、視界に入った職員に対してDangerに匹敵する攻撃性を示します。出現を確認した場合、直ちにルーム86へと誘導してください。この間、ルーム86への職員の立ち入りは禁止されます。
FCP-019-J:恥ずかしがり屋な人格です。対面の会話が苦手であり、たとえ相手が他の人格で友好的に接していた存在だとしても、どこかに隠れようとします。FCP-019-Jとの対話は筆談か、FCP-020を介して行うことが推奨されています。
FCP-019ヒアリングログ01
実行日:▅▅/▅▅/11:30~
質問者:▅▅▅▅▅▅博士
前書:このヒアリングはFCP-019-Aに行われました。
〈記録開始〉
▅▅▅▅▅▅博士:じゃあ、始めましょう。君の個人名は既にエージェントから聞いているから…誕生日と出生地を答えて。
FCP-019:7月23日に、エンディールのミルフという村に生まれました。
▅▅▅▅▅▅博士:何年の7月23日だったかは覚えてる?
FCP-019:えぇと…………ごめんなさい、思い出せません。
▅▅▅▅▅▅博士:オーケー、次の質問にいきましょう。君は自分の変化に気付いてる?
FCP-020:それは、▅▅▅(FCP-020の個人名)が近くに居る時と遠くに居る時の変化、ですか?
▅▅▅▅▅▅博士:そっちは気付いているんだね。どうしてそうなるのかはわかる?
FCP-019:契約をしましたから。
▅▅▅▅▅▅博士:契約?
FCP-019:▅▅▅は悪魔契約って呼んでました。▅▅▅と離れれば離れるほど契約の力が弱くなるみたいで、だから私は▅▅▅と離れると元の姿に戻っちゃうし、魔法も使えなくなるんです。
▅▅▅▅▅▅博士:契約したのは、魔力と不老の力が欲しかったから?
FCP-019:いいえ。捕食のためとはいえ、これ以上▅▅▅に人殺しをして欲しくなくて…だから、永遠に私の魂を食べ続けてもらう契約をしたんです。魔力と不老は、その対価としてもらったもので…。
▅▅▅▅▅▅博士:じゃあ、君の魂は彼女によって、今こうして話している間も食べられているってこと?その割には、君に目立った異常は見当たらないけれど。
FCP-019:私の体に影響が出ないよう、魂が自然治癒する量と釣り合うように調整して食べると、契約の時に▅▅▅が言ってました。だからきっと、そのおかげです。
▅▅▅▅▅▅博士:なるほど。そういえば君は、彼女にだけ丁寧口調じゃなくなるらしいね。それについては?
FCP-019:一緒に住んでた時、丁寧口調ナシで普通に喋りたいと頼まれたんです。最初は大変でしたけど、慣れたらどうってことはありませんでした。…私の母は言葉遣いに厳しくて、家族や娘である私に対しても丁寧口調でしたから…丁寧口調でない言葉を実際に口にするのは、あの時が初めてだったかもしれません。
▅▅▅▅▅▅博士:次の質問にいきましょう。君は自分の変化に気付いてる?今度は、君と彼女が一緒に居る時の変化。
FCP-019:えっと……例えば?
▅▅▅▅▅▅博士:一言でいうなら、人格の変化。心当たりは?
FCP-019:…それは…。……なんて言ったらいいのか、少しお時間をいただいても?
▅▅▅▅▅▅博士:どうぞ。
〈20秒間、沈黙〉
FCP-019:…あっ、そうです、博士。例えば、友人さんとお話をする時と後輩さんとお話をする時で、あるいは此処に居る時とお家に居る時とで、口調や振る舞いに多少の違いは出てくるのではありませんか?そしてそれは無意識に起こるもので、貴方自身もこう言われて改めて考えて、ぼんやりと自覚できると思います。私のはそれと同じです。少し聞こえの悪い言い方になりますが、私のそれは極度の気分屋なんです。
▅▅▅▅▅▅博士:記憶がなかったり、此方に対して異様な敵意をみせるのも?
FCP-019:…ごめんなさい博士、貴方が何をおっしゃりたいのか私はうまく理解できません。でも、私は私です。どんな気分の時でも、私はちゃんとその時の記憶があります。多重人格さんのことはわからないけれど…私は、私が一人だと思っています。
▅▅▅▅▅▅博士:…最後の質問に行きましょう。不老の君は、私達よりも長いこと生きているはずだよね。その間に君の得た知識を教えてもらうことはできる?
FCP-019:…お言葉ですが博士、それらは全て貴方達が既に知っている事、あるいはより詳しい内容を知っている事ばかりだと思いますよ。
▅▅▅▅▅▅博士:どういうこと?
FCP-019:私は、これ以上衰えることはありません。逆に、これ以上 強くなることもありません。例えば、私が仮に毎日トレーニングを行ったとしても筋力は上がらず、逆に室内でだらけていたとしても体力が落ちることはありません。これは私の体だけでなく五臓六腑、そして脳もです。私の脳はあの時…▅▅▅と契約をした時のまま。記憶力もあの時のまま。新しいことを覚えれば覚えるほど、古い記憶は抜け落ちてしまいます。家族の姿も…もう、ぼんやりとしか、覚えていません。…ですので、私の覚えている知識は、昔の思い出や木の実の事を除けば、今お外を歩いている方達とほぼ変わらないかと思います。…あぁでも、流行とか、時代によって新しくなった常識とか、そういうものにおいては彼らの方が詳しいですね、きっと。
〈記録終了〉
FCP-019ヒアリングログ02
実行日:▅▅/▅▅/14:00~
質問者:▅▅▅▅▅▅博士
前書:このヒアリングはFCP-019-B、及びFCP-019-Hに行われました。
〈記録開始〉
FCP-019:こんにちは博士!貴方にこうして呼ばれたということは、またヒアリングですねっ!?早速始めましょう、博士!
▅▅▅▅▅▅博士:前回のヒアリングの内容を覚えているの?
FCP-019:たった四日前のことじゃないですか!当たり前ですよ!確かにあの時、新しいことを覚えると古いことを忘れるって言いましたけどっ、私はそこまで忘れっぽくはありません!
▅▅▅▅▅▅博士:…なら、君は自分の変化に気付いている?
FCP-019:それは気持ちの変化ですかっ!?
▅▅▅▅▅▅博士:気持ち…まぁ、そういう考え方で良
FCP-019:勿論気付いてますよ!今の私は、とても胸が高鳴っています!やる気が体中に満ち満ちています!
▅▅▅▅▅▅博士:な、なるほど。君がその気持ちになるのに、なにかきっか
FCP-019:それは、博士がカレンダーを見ると必ず[編集済み]するっていう感じのでいいですかっ!?
▅▅▅▅▅▅博士:そ、その情報は一体どこで…。…まぁ、そうだね、そん
FCP-019:ないですねっ!今日は朝起きた時からこの気持ちですっ!あっでも、ご飯を食べた後にこの気持ちが湧き上がってくるときもあったかな?あっそうです!二週間前なんて、ただ廊下を歩いていただけでこの気持ちが湧き上がってきたんですよ!ホント不思議ですっ!
▅▅▅▅▅▅博士:な、なるほど。じゃあ、きっかけらしいきっかけは無さそうだね。オーケー、じゃあ最後の…
FCP-019:博士。
▅▅▅▅▅▅博士:ん?
FCP-019:……紙。
▅▅▅▅▅▅博士:紙?
FCP-019:…と、ペン…。
〈▅▅▅▅▅▅博士が紙とペンを差し出す。〉
FCP-019:(筆記:「ロつかれた こっちでやる」)
▅▅▅▅▅▅博士:あー…オーケー。じゃあ、今の気持ちを教えてくれる?
FCP-019:(筆記:「めんどい 早くおえたい」)
▅▅▅▅▅▅博士:それは、このヒアリングを?
FCP-019:(頷く)
▅▅▅▅▅▅博士:質問はあと二つだから頑張って。君が今の気持ちになるのに、何かきっかけに心当たりは?
FCP-019:(筆記:「つかれ おちこみ きまぐれ」)
▅▅▅▅▅▅博士:オーケー、最後の質問にいきましょう。君はFCP-020がその石に入ってくる様子を見ているよね?
FCP-019:(筆記:「▅▅▅(FCP-020の個人名)ってよんで」)
▅▅▅▅▅▅博士:…改めて、▅▅▅がその石に入る時の様子を説明してもらえる?
FCP-019:(筆記:「めんど」)
▅▅▅▅▅▅博士:答えてくれたら、後で君にドーナツをあげるようにエージェントに伝えるよ。
FCP-019:(筆記:「▅▅▅はきりになる 石に入る」)
▅▅▅▅▅▅博士:きり。彼女の体が霧状に変化するってこと?
FCP-019:(頷く)
▅▅▅▅▅▅博士:じゃあ逆に、出てくるときは?
FCP-019:(筆記:「石からきりが出て▅▅▅になる」)
▅▅▅▅▅▅博士:彼女が居る時といない時で、石に何か変化はある?
FCP-019:(首を横に振る)
〈記録終了〉
