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FCP-028 "キルト"

Character Class Safe

 FCP-028はエリアB-ルーム17に収容されます。ルーム内は人型FCP収容手引書に基づいてレイアウトされ、専用基準をクリアした物品が使用されます。食事の配給は一日に三度行ってください。FCP-029との面会が希望された場合は許可してください。この時、面会室までのルート上や室内にある全物品はFCP-028の手の届かない高さ、あるいは鍵付きロッカー内に移動してください。FCP-028がルーム17内に設置されていない物品に触れた場合、記憶処置を行ってください。
 
 FCP-028(本名:キルト・シエロ)は黄緑と黄色のオッドアイを持ち、茶色の短髪の人間の青年です。FCP-029の捕獲妨害を行ったために拘束されました。記憶処理を施して開放する予定でしたが、特異性が判明したことによりそのまま保護されました。保護された時点での身長162cm、体重56.3kg、年齢は17歳でした。FCP-028の家族と学校関係者にはカバーストーリー「モンスターによる捕食」が伝えられましたが、FCP-028の希望により記憶処置が行われました。
 FCP-028は触れた物品に対し、扱い方を瞬時に理解することができます。これは道具のみならず、乗り物、玩具、楽器、武器などにも適応されます。詳細はFCP-028実験記録を参照してください。いずれの場合も初めから上手く使いこなせていないことから、使いこなすまでには相応の練習が必要であると考えられます。現在、FCP-028の特異性に関する実験を行う際には記憶処置の実施が義務付けられています。
 
―実験後の記憶処置を怠った場合、FCP-028のCharacter ClassをCareful、あるいはそれを飛ばしてDangerに上げることになるだろう。記憶処理を怠るな。エリア内にFCP-028の武器になりうる物を放置するな。我々の慢心によってDangerのFCPが増えてしまう可能性があることを、忘れてはならない。―HD ▅▅

FCP-028 "キルト": TeamMember

FCP-028実験記録

目的:FCP-028の特異性の調査
実行者:Calz博士、エージェントNancy、エージェントGrace

〈実験01〉
物品:トランサー、正方形にカットされた厚紙
手順:道具の説明や特別な指示はせず、上記のものを与える。
結果:FCP-028はトランサーを使用して不思議なオブジェクトを折り上げました。
メモ:FCP-028は触れるまでトランサーを耳かきと思い込んでいたようだ。それはいいが、あのオブジェクトのどこをどう見たらドラゴンに見えるというのだろうか…。
 
〈実験02〉
物品:サックス
手順:サックスで一オクターブ分の音階を吹くように指示。FCP-028が授業等で演奏方法を学習していないことは確認済み。
結果:FCP-028はサックスを手に取ると、半音を含めて1オクターブ分を無事に吹き鳴らしました。尚、最初の一音が出たのは実験開始から10分後でした。
メモ:音を出すための吹き方はFCP-028自身の技能になるため、理解できなかったと考えられる。…実験なので口出ししないようにしていたが、こんなにも中身のない10分を過ごす羽目になるなら途中でアドバイスを入れるべきだったか。
 
〈実験03〉
物品:一眼レフカメラ、被写体になりうる複数の食器
手順:マニュアルモードで写真を撮るという条件のみを提示し、自由に写真を撮るよう指示。
結果:FCP-028は手動ズームと手動ピント調節を使いこなし、写真を二十枚程度撮影しました。尚、そのうちの十数枚は真っ暗でした。
メモ:実験のために明るさの設定を滅茶苦茶にしていたが、流石に触れただけではここまで見抜けなかったようだ。途中で気付いてくれなかったら散々なことになっていたな。
 
〈実験04〉
物品:ボックス・ディジュリドゥ
手順:道具の説明や特別な指示はせず、上記のものを与える。
結果:FCP-028はディジュリドゥを手に取ると、それを吹き鳴らしました。
メモ:FCP-028は触れるまでディジュリドゥを何かの部品だと思っていたようだ。それにしてもディジュリドゥを鳴らした瞬間のFCP-028の顔が忘れられない、この実験はビデオでの記憶にするべきだったか。
  
〈実験05〉
物品:カセットテープ、カセットテープ変換プレーヤー、ノートパソコン
手順:道具の説明や特別な提示はせず、上記のものを与える。FCP-028がカセットテープに関する知識がほぼないことは確認済み。
結果:FCP-028はカセットテープ変換プレーヤーに触れ、ノートパソコンに接続しました。ノートパソコン内のソフトを起動したのち、カセットテープに触れたFCP-028は一瞬硬直し、少し戸惑った様子でそれを開けました。取り出したUSBをノートパソコンに差し込み、データを確認したFCP-028は失笑しました。
USB内のデータ:LEADIT.txt「よくぞ見抜いた、そのカセットテープは巧妙に似せて作られたUSB入れだ。ちなみに隣の変換プレーヤーとソフトはUSB入れをカセットテープと思い込ませるためだけに用意したものだ。」
メモ:なんともふざけた実験だったが、FCP-028が我々の研究に協力的になったのは収穫だろう。エージェントの提案も侮れないな。
  
〈実験06〉
物品:うに割り器、うに
手順:道具の説明や特別な指示はせず、うに割り器のみを与える。
結果:FCP-028はうに割り器を手に取ると、エージェントNancyにうにがないかを確認しました。エージェントNancyがうにを取り出すと、FCP-028はそれを使用してうにを割り、中身を取り出しました。
メモ:割ったうにの中身はきれいに洗い、おいしくいただいた。
 
〈実験07〉
物品:キャストパズル エニグマ、シャッフル済みの3×3×3のルービックキューブ
手順:キャストパズルは解体した後に元の状態に戻すよう、ルービックキューブは六面揃えるように指示し、上記のものを与える。
結果:FCP-028は約二分半でエニグマを解体し、約一分半で元の状態に戻しました。この間、FCP-028が悩むような仕草は確認できませんでした。一方、ルービックキューブは10分ほど挑んでいましたが、途中でギブアップしました。
メモ:知恵の輪の解き方を扱い方として理解したのか、それとも彼がこの知恵の輪の解き方を知っていたのか。どちらにしても、死ぬ前にバラバラになったアレをこの目で見れて満足だ。ルービックキューブは…まぁ、後でそういうのが得意な誰かが揃えてくれるだろう。
 
〈実験08〉
物品:からくり箱(324回)、三桁のダイヤルボックス
手順:どちらにもFCP-028の好物の菓子が入っていることを伝え、上記のものを与える。
結果:FCP-028はからくり箱を一度も間違えることなく、三分半ほどで開けました。一方、ダイヤルボックスは適当にダイヤルを回した後、001から順番に試して開けました。
メモ:FCP-028が943を試すまで、私達は一体どれほど待ったのだろう。実験02の待ち時間の方がまだ優しかった。
 
〈実験09〉
物品:切れ味の落ちたサバイバルナイフ、オイルストーン、果物、ロープ
結果:オイルストーンの両面には事前にオイルを塗っておく。道具の説明や特別な指示はせず、上記のものを与える。
結果:FCP-028は砥石に触れた後、恐々ながらもナイフを研いでみせました。その後、FCP-028は果物とロープを切りました。
メモ:セレーションを用いてロープを切ったのは、触れた際に得た知識だろう。FCP-028には記憶処置を施し、オイルストーンとサバイバルナイフの扱い方を知らない状態に戻した。
 
〈実験10〉
物品:空のレミントン700CP、マガジン
手順:安全のため、FCP-028とエージェントNancyには防護服とイヤーマフを着用させる。的を撃つよう指示し、上記のものを与える。FCP-028が射撃場未経験者であることは確認済み。
結果:FCP-028は慣れない手つきながらもレミントン700CPをリロードし、的に発砲しました。的への命中率は20%でした。
メモ:記憶処置を施し、レミントン700CPの扱い方を知らない状態に戻した。仮にジャムが発生しても、あの時のFCP-028は自ら対処できただろう。
 
―FCP-028の能力は我々の想像以上に危険なものかもしれない。万一の事態の為にエージェントの装備から武器をなくすことは難しい。だが、そうするとFCP-028がそれらに触れて扱い方を知る危険が付きまとう。初めから使いこなせないという点は救いだが、触れたかどうかの確認が困難なのが厄介だ。FCP-028への監視設備の強化を推奨する。―観測者 Calz

FCP-028ヒアリングログ

実行日:▅▅/▅▅/12:00~
質問者:▅▅▅▅▅博士

〈記録開始〉
▅▅▅▅▅博士:こんにちは、FCP-028。
FCP-028:あ、あぁ、どうも…。…えーと、その番号呼びっていつまで続くんですかね、先生。
▅▅▅▅▅博士:半永久的に。だが君を保護するためなんだ、理解してほしい。
FCP-028:は、はあ…。
▅▅▅▅▅博士:…ヒアリングを始めよう、FCP-028。まず誕生日と出生地と名前を手短に教えてくれ。
FCP-028:え…、それ、前に答えませんでした?
▅▅▅▅▅博士:あぁ。だが前回はヒアリングではなかったからな。確認のために、もう一度答えてもらいたいんだ。
FCP-028:は、はあ…わかりました。…俺は、キルト・シエロ。ウィーセの▅▅▅▅▅に、20▅▅年3月25日に生まれました。
▅▅▅▅▅博士:よし。…FCP-028、君がここに連れてこられた理由はわかるね?
FCP-028:…はい。あの…軍隊みたいな人達に対抗したからですよね。
▅▅▅▅▅博士:その通り。彼ら…FCP捕獲隊に対抗した理由を、改めて答えてほしい。
FCP-028:…あの時は…急にゴツイ装備した奴らが来たから、気が動転して…アイツを守ろうと。
▅▅▅▅▅博士:君がFCP-029を守った理由を教えてくれるか?
FCP-028:FCP-029?…あぁ、やっぱ▅▅▅(FCP-029の渾名)もそう呼ばれてんのか…。…アイツと俺は、小さい時からの付き合いなんです。でも、家族や学校の友人達には教えてないんで、俺の周りでアイツを知ってるのは誰もいないと思います。
▅▅▅▅▅博士:それは、彼の存在を教えると君に不利益があったからか?
FCP-028:いや、不利益とかそんなんじゃなく、もっとくだらない理由ですよ。…先生は小さい頃、秘密基地とか作って遊んだりしました?
▅▅▅▅▅博士:あぁ…小学校の時にはよくやっていたな。限られた人しか知らないという事実が、なんとも言えない優越感を湧き起こしていた。
FCP-028:そう、それです。俺しか知らない秘密の友人、ましてやそれはガーゴイル…となったら、胸が躍らないはずがないでしょう。俺は、▅▅▅を俺しか知らない秘密の友人にしたかったんです。▅▅▅と会える[編集済み]は、俺にとっての秘密基地でもありましたし。……だから、あんた達が来たときは気が動転して、とにかくアイツを守ろうと…。
▅▅▅▅▅博士:なるほど。…我々やこの施設自体に敵対心はまだあるか?
FCP-028:いや…、まぁ、とりあえずはないです。あったとしても、ここの人たちには俺は到底かなわないでしょうし。
▅▅▅▅▅博士:君が我々に対し危険な行動をしない限り、我々から君に手を出すことはない。我々の行動理念に反するからな。
FCP-028:は、はあ…そうですか。
▅▅▅▅▅博士:…質問に戻ろう。君が自分自身の力に気付いたのはいつ頃か、答えてほしい。
FCP-028:んん……小さい頃の記憶はよくわからないし、他の人も同じだと思い込んだまま育ったんで、なんとも…。
▅▅▅▅▅博士:よくわからない、というのは、思い出せないということかな?
FCP-028:いや、思い出せはするんですけど、それが何歳の時の記憶なのかってのがわからなくて…。でも、俺が思う、一番古い記憶の中の俺は、すでにこの力を持ってました。でもこれが普通じゃない事だって知ったのは中二…いや、中三だったかな?その頃です。クラスメートに言われて、普通じゃないって初めて知りました。…まあ、俺もみんなも、直感が凄い高いだけだろうって感じで、特別な力だとは思ってませんでしたけど…。
▅▅▅▅▅博士:彼らに教えてもらうまでは、他の人達もその力を使えると思っていたのか。では、道具の扱い方を授業で教わる事について、不思議に思わなかったのかい?触ればわかるはずなのになぜわざわざ教えるんだろうと思ったりは?
FCP-028:いや、触ってもわかるのは使い方だけで、どうしてその道具を使うのかとか、使ったらどうなるかまではわからないんですよ。だから、それを説明するためにやってるんだと思っていて、全く不思議には思いませんでした。触る前に扱い方を教わったりとか、そもそも教えられるだけで触る機会がなかったものもありましたし。
▅▅▅▅▅博士:なるほど。ちなみに、普通じゃないと知った後、ご両親には話したのかい?
FCP-028:いや…、別に話すほどのことじゃないし、この力のせいでなんか困るようなことも起こらなかったんで。
▅▅▅▅▅博士:…そうか。これまでその力によって扱い方を知った道具は、どんなものがあるんだ?
FCP-028:Wi-Fiのルーターとかパソコンとか、家にあったものはほとんど。理科の実験道具とか体育の道具とか、学校で触る機会があるものもそうです。後は、電気屋でディスプレイされてて興味を引かれて手に取った商品とか、偶然手が触れちゃったものとか、車や電車みたいに必然的に手が触れるものとか。
▅▅▅▅▅博士:自分の興味に関わらず、触れたらわかるということか。
FCP-028:はい。でもしばらく触ってないヤツは忘れましたね。父さんの芝刈り機とか、ばあちゃんのあやとり糸、とか………。
▅▅▅▅▅博士:…FCP-028、ご両親や君のご友人達に対しての記憶処置は、行ってからまだ日が浅い。今ならまだ…。
FCP-028:いえ、いいんです。…俺はこうして生きてるのに、死んだ事にされて父さん達やダチが悲しむくらいなら…いっそ、俺の存在を忘れてくれた方が、誰も悲しまずに済みますから。…だから、そのままにしてください。後悔は…してないですから。
〈記録終了〉

FCP-028 "キルト": サービス

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