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FCP-043 スライムらしき黒い流動体の何か

Character Class Danger

  FCP-043は約150ℓある、スライムらしき黒い流動体の何かです。基本状態ではただの黒い水溜りのように見えますが弾力があり、音を立てることなくするすると動き回ります。2007年にエリアE-2内で発見されて以来、エリアEの様々な場所で見かけられるようになりました。エリアE-2-ルーム10をFCP-043の部屋としていますが、FCP-043がそこにいることはほぼありません。 

 FCP-043は職員や他FCPに敵意を持っているようには見えません。近くを通りかかったり、自身に向けて手を伸ばされると、一部を触手のように変えて腕や脚に絡みついてきますが、締め付けたり行動を封じるといったことはしません。10秒ほどすると触手を離し何事もなかったかのように振る舞うため、敵ではないかを確認している、もしくは挨拶の一種ではないかと考えられます。 

 FCP-043は自身の粘度を変えることができ、それを応用して自身が目にしたことのある動物の姿になれます。ただし人型になることはできず、いずれもメラニズムの動物のように見え、表面はつるつるとしていて毛並みは感じられません。現在確認されている限りでは、最小で125cmの黒猫、最大で3.4mのカラスになりました。動物の姿であっても粘度を変えることができ、落下した場合はゼリー状になって衝撃を吸収し、攻撃を受けた場合は水のようになって受け流します。 

 FCP-043は定期的な水分摂取を必要とします。バケツ等に入った水を見つけた場合、体の一部を触手のようにして水の中にいれ、水分を摂取します。蛇口等で水を上からかけられた場合、体を椀状にへこませて受け止め、体内に取り込みます。水ではなく食物を見つけた場合、体内に取り込み水分だけを吸収して排出します。これらが正しく行われず水分不足に陥った場合、行動能力の低下、動物の姿の崩壊といった症状が現れます。 軟水より硬水を好みます。

追記:FCP-043はゴポゴポという音で、擬似的に男性の声に似た音を出し、言葉を発します。当初は聞き取りが難しい状態でしたが、語学学習プログラムによって現在は人間の声と大差ない音を出すことができます。それに伴い、職員や他FCPと会話する姿が見受けられています。FCP-043は感情を持ちませんが、会話相手には友好的に接しているように見えます。 


―FCP-043のCharacter Classを変えるのは私達 観測者、そしてエージェントの言動と振る舞いです。感情を持たない生物が攻撃や殺害、それらに関係する言葉・行動を覚えたとしたら、Class変更は免れません。特にFCP-043の場合、此方からの攻撃は効かず、その気になれば我々の体内に入り込めるため、Dangerとなるでしょう。どうか、この言葉が予言になりませんように。―観測者 ▅▅ 

FCP-043 スライムらしき黒い流動体の何か: TeamMember

​事象記録043

▅▅月▅▅日、エージェントMizzyの報告により、FCP-043が言語機能を有していることが判明しました。エリアE-ルーム10の監視カメラ映像にはFCP-043が泡立つような音を立てる様子が記録されており、不安定な発音ながらも「FCP」と聞き取れることが確認されました。
上記の現象を確認した▅▅博士により同月▅▅日、FCP-043に対し言語学習能力の有無を測る実験が行われました。その結果、FCP-043は言語学習能力を有していることが判明し、FCP-043に対しての言語学習プログラムが開始されました。

FCP-043 スライムらしき黒い流動体の何か: よくある質問

FCP-043ボイスログ01

前書:このボイスログは、FCP-043の学習状況を把握するために記録されました。FCP-043は言語学習プログラムを半年受けています。

〈記録開始〉

▅▅博士:FCP-043。僕は誰?
FCP-043:(ゴポゴポ)は、かせ。
▅▅博士:そう、当たり。(リンゴを机に置き)これは何?
FCP-043:(ゴポ)くだ…(ゴボゴボ)…のも、りんご(コポコポ)…あまぃ、アカ⋯。
▅▅博士:うーん、惜しい。リンゴは当たりだけど、クダノモじゃなくて、クダモノ。

FCP-043:…く、だも(ゴボ)…の?
▅▅博士:そう、果物。
FCP-043:(ゴボゴボ)…く、だの…くだ、も、の…(ゴポゴポ)…くだも、の。
▅▅博士:そう、果物。じゃあ…(桃、葡萄、バナナ、サクランボを置いていき)左から答えて。
FCP-043:(ゴボゴポ)さくら、ぼ…(ゴボボ)ばな、な…ぶどお(コポ)⋯もんも。
▅▅博士:惜しいなぁ。さくらんぼ、ばなな、ぶどう、もも。
FCP-043:(ゴボ)…さくらん、ぼお……ば(ゴボ)なな(ゴポゴポ)ぶど、おぅ…もんも……(ゴボボ)たべた。ほしい。
▅▅博士:ん?…食べたい?
FCP-043:(ゴボゴボ)たべた、い(ゴボボ)…く、だも…の。
〈記録終了〉

―FCP-043は我々の予想よりも早いスピードで言葉を覚えています。来月中にはプログラムレベルをⅡに上げることができるでしょう。―観測者▅▅

FCP-043ボイスログ02

前書:このボイスログは、FCP-043の学習状況を把握するために記録されました。FCP-043は言語学習プログラムを一年受けています。

 

〈記録開始〉
▅▅博士:FCP-043、調子はどう?

FCP-043:ちょおし…(ゴボボ)わるくない、よくない。
▅▅博士:普通なんだね?
FCP-043:ふつう。ちょおし、ふつう。(ゴポゴポ)でも、さっき、みず、あった(ゴポ)おいしかった。
▅▅博士:それはよかった。その美味しい水を飲んだ時、何か感じなかった?
FCP-043:かんじぃ、る?(ゴボゴボゴボ)
▅▅博士:そう。体が軽くなったような、心が弾むような…「嬉しい」感じ。
FCP-043:(10秒間の静寂)…わからない…(ごぽ)かんじょお(ゴボゴボ)わからない。
▅▅博士:うーん、やっぱりわからないかぁ…。
FCP-043:(ゴポ)でも、はかせのかんじょお、わかる。

▅▅博士:僕の感情?

FCP-043:はかせ、わらう、うれしぃ。はかせ、なく、かなしぃ。(ゴポ)…あってる?

〈記録終了〉

 

―この一週間、感情に関する言葉をFCP-043に教えてきましたが、FCP-043はそれを持っていないように感じます。表情や仕草で我々の感情を判断することはできても、それを体感している様子は未だに伺えません。―観測者▅▅

FCP-043ボイスログ03

前書:このボイスログは、FCP-043の学習状況を把握するために記録されました。FCP-043は言語学習プログラムを二年受けています。

 

〈記録開始〉
FCP-043:▅▅博士、質問したい。
▅▅博士:質問?
FCP-043:今朝の水の味はこれまで(ゴポ)のと違った。水道水の味とも違った。
▅▅博士:あーそれか。ええと、水には軟水と硬水があるのは知ってるかい?
FCP-043:前に聞いたことがあるぞ、エージェント▅▅▅が言ってた。
▅▅博士:なら話は早い。実は発注ミスが起きてね、今、この施設の倉庫には硬水が山積みになっているんだ。すぐに軟水を発注したらしいけど、それが届く前に軟水の在庫が底をついてね…。

FCP-043:じゃあ、これまで俺が飲んでいたのは軟水で、今日が硬水?
▅▅博士:そういうことだ。すまないね、苦かっただろう。明日には軟水が届…
FCP-043:エージェント▅▅▅は嘘つきだ。
▅▅博士:えっ?
FCP-043:エージェント▅▅▅は硬水は美味しくないって言った。でも軟水より硬水の方が美味しかった。俺に飲ませたくないから嘘をついたのか?

▅▅博士:あー、なるほど。いや、彼は嘘をついてはいない。僕ら人間の口では硬水は苦いと感じるんだ。それが美味しいって人もいるけど、僕はエージェントと同じく苦手かな。

FCP-043:そうか、エージェントは嘘つきじゃないのか。

▅▅博士:つまり君は硬水の方が好きなんだね?

FCP-043:好き。ずっと硬水が欲しい。…いや、果物も欲しい。硬水と果物がほしい。

▅▅博士:はは、そうか、わかったよ。

FCP-043:ありがとう。それじゃあ▅▅博士、始めてくれ。もっといろんな生物を知りたいんだ。前回はアカフチリュウグウウミウシまでやったぞ。

〈記録終了〉

 

―観測者▅▅はランクCに降格させ、記憶処置を施した上で別エリアに移送した。彼はFCP-043に教えすぎた。FCP-043に効果を発揮する記憶処置法が確立されるまで、FCP-043のCharacter ClassはDangerとする。―HD ▅▅▅▅

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