FCP-050 具現歌うたい
Character Class Careful
FCP-050はレモン色とナイルグリーン色のグラデーションの瞳を持ち、キャメル色の髪をサイドテールにした妖精です。20▅▅年4月上旬に行われた歌手オーディションにて、▅▅▅▅▅▅の大量発生時に歌唱していたことから引き留められました。その後 任意で行われたヒアリング中に同様の事態が起き、FCPとされました。エリアE-1-ルーム8をFCP-050の部屋とし、FCP-050~FCP-058のルームまでの範囲のみ、自由な移動が許可されています。ルームの壁は防音素材に取り換えられています。
FCP-050は職員に対して友好的であり、疲れている職員を見かけた場合は元気を出して欲しいと短めの歌を歌ってみせます。他FCPに対しては、人型ならば職員と同じように接しますが、人型でないFCPには興味を示しません。
FCP-050は歌を歌うことで、その歌詞に応じた現象を発生させます。これは現実的にありえない現象、例えばビニール製の鯉のぼりが妊娠したり、桜の木が突如生え満開の花を咲かせたりといった現象も発生します。これらはFCP-050自身の意志によって被害の大小を変えることはできますが、現象が起きないようにする事はできません。ただし現象が引き起こされる歌詞はFCP-050が映像的なイメージを持っているもののみに限られ、抽象的なもの、造語やヴォカリーズ、FCP-050が意味を理解していないものの場合は何も起こりません。また伴奏を伴った歌唱をした場合、この現象は更に顕著に、大規模に現れます。FCP-050の声帯を除去しその特異性を無効化する案は却下されました。
FCP-050から新たな歌の要望を受けた場合は、「FCP-050の為の楽曲リスト」に記載された歌を教え、教えた歌には打消し線を書いてください。リストに記載されていない音楽を無断で教えることは害の有無にかかわらず許されません。どうしても教えたい曲がある場合は、リスト候補として申請し、リストに記載されたことを確認してからにしてください。
FCP-050実験記録01
目的:FCP-050の特異性の調査
実行者:Vios博士、エージェントCeine、エージェントTiga、ティラール職員
前書:実験はエリアE-1-ルーム8にて行います。ルーム内にはFCP-050、複数名のティラール職員、エージェントCeine、エージェントTigaが入ります。エージェントの二人は耳栓を着用し、FCP-050の影響を受けないようにされます。ルーム内の様子はVios博士のいる別室のモニターに、ミュート状態で映されます。
〈実験01〉
曲名:Over The Rainbow
対象指定:特になし。
結果:FCP-050が歌い始めたとほぼ同時に、全ティラール職員が天井を見上げ喜ぶような素振りを見せました。実験後にヒアリングを行うと、「虹と青い鳥が現れた」という共通の証言をしました。カメラ映像やエージェントからは虹と青い鳥は確認できませんでした。
メモ:幻覚でも至近距離で虹を視れたTクラスが羨ましい。
〈実験02〉
曲名:Topaz Love
対象指定:特になし。
結果:FCP-050が歌い始めてから少しして、エージェントCeineのイヤリングがひとりでに光り、T-0733に衝突しました。更に歌唱を続けさせると、イヤリングは線香花火のように激しく火花を散らしました。最後に、イヤリングは光りながらT-0733に衝突しました。実験後にT-0733の身体検査を行いましたが、特に問題はありませんでした。また、イヤリングのメンテナンス・調査を行いましたが、無傷であり、光を放つような物質は使われていませんでした。
メモ:イヤリングに使われていたガーネットが影響を受けたのか。T-0733目掛けるイヤリングのネオンは綺麗ではあったが、なぜT-0733だけ狙われたのか。
〈実験03〉
曲名:Halloween Patisserie TrickaTorka
対象指定:特になし。
結果:FCP-050が歌い始めてから少ししてカップケーキが複数個 出現しました。それからしばらくして、一口サイズのフレジェ、輪切りのオランジェット、ブルーハワイ味のグラニータもそれぞれ複数個 出現しました。菓子はFCP-050が歌唱を終えても消えることはなく、食べることができました。
メモ:味は優良で、特にフレジェが美味しかった。明日 健康診断があるが、後悔はない。
〈実験04〉
曲名:カゲロウデイズ
対象指定:レゴブロックで作られた町。
結果:FCP-050が歌い始めたとほぼ同時に、町中に立てていた温度計の数値が32℃にまで上昇しました。暫くして、レゴブロックでできたトラックが出現し、ひとりでに動いてミニフィグの一つを轢きました。少量の赤い液体が町に飛び散り、トラックをどけると赤く汚れ潰れたミニフィグが発見されました。調査の結果、赤い液体は血液に限りなく近い色をした絵具でした。実験後、FCP-050には記憶処置を施し、この曲と今回の実験についての記憶を消去しました。
メモ:まさか無機質なミニフィグまで流血させるとは…。ふざけて交差点にスーパーマンを置かなくてよかった。
〈実験05〉
曲名:マトリョシカ
対象指定:特になし。
結果:FCP-050が歌い始めてから少しして、ティラール職員が着けていた腕時計が勝手に四時を指し、FCP-050が歌い終えるまで動きを停止しました。その他に目立った変化は見られませんでした。
メモ:もう少し何かあったら面白かったのだがな。
〈実験06〉
曲名:げらげら
対象指定:特になし。
結果:FCP-050が歌い始めたとほぼ同時に、ティラール職員は全員 笑い出しました。実験後、三名のティラール職員が腹筋の痛みを訴えました。
メモ:まるでワライタケだな。音声無しの状態ではただのよくわからない映像だった。
〈実験07〉
曲名:Bye Bye Bird
対象指定:特になし。
結果:FCP-050が歌い始めてから暫くして、T-1963が卒倒し、FCP-050は歌唱を中断しました。エージェントが応急手当をしているとFCP-050は再度 歌いだし、T-1963は目を覚ましました。実験後の調査により、ヴォカリーズの間はなんともなかったこと、T-1963がインコを飼っていたこと、卒倒時に心肺が停止していたこと、FCP-050が「天国からの没シュート」のCメロ以降を歌って蘇生させたことが判明しました。
メモ:FCP-050が蘇生系統の歌を覚えてくれていてよかった。自分の好きな歌で人が死ぬのは耐え難い。
〈実験08〉
曲名:銀河鉄道999
対象指定:特になし。
結果:FCP-050が歌い始めたとほぼ同時に、ティラール職員は椅子に腰かけるように体勢を変えました。FCP-050が歌い終えるまで、ティラール職員は空気椅子状態のままでいました。実験後にヒアリングを行うと、「いつの間にか汽車の中にいて、車窓から天の川を至近距離で見た」という共通の証言をしました。
メモ:幻覚でも銀河鉄道に乗れたTクラスが凄く羨ましい。
〈実験09〉
曲名:▅▅▅▅▅▅▅▅▅▅
対象指定:特になし。
結果:FCP-050が歌い始めてから少しして、ティラール職員は▅▅▅▅▅▅が▅▅▅▅▅かのような動作を行い、▅▅を▅▅▅▅▅、▅▅▅▅により▅▅しました。実験後、FCP-050には記憶処置を施し、この曲と今回の実験についての記憶を消去しました。
メモ:Tクラスがあの動作をしたということは、FCP-050はこのアニメを見たことがあったのだろうか。そうだろうとそうでなかろうと、子供向けの曲でこんなことが起きるなんて誰が予想できたのか。
―楽曲リストの見直しと改訂版の作成を早急に行う。実験09の二の舞を演じるのだけは御免だ。―観測者 Vios
FCP-050実験記録02
目的:FCP-050の特異性の調査
実行者:Vios博士、エージェントCeine、エージェントTiga、ティラール職員
前書:実験はエリアE-1-ルーム8にて行います。ルーム内にはFCP-050、複数名のティラール職員、エージェントCeine、エージェントTigaが入ります。エージェントの二人は耳栓を着用し、FCP-050の影響を受けないようにされます。ルーム内の様子はVios博士のいる別室のモニターに、ミュート状態で映されます。実験には改定された楽曲リストが用いられます。
〈実験01〉
曲名:Happy Halloween
対象指定:特になし。
結果:FCP-050の歌唱中、ティラール職員は今日がさもハロウィン当日かのような振る舞いを見せ、ルーム内の者や自身の服を使用して簡単な仮装をしてみせました。実験終了後もそれは続き、職員に菓子を求めたり、トイレットペーパーを持ち歩いたりといった行動を続けました。FCP-050には、ハロウィン当日もしくは周囲に人がいない時のみの歌唱を条件とし、記憶処置は施しませんでした。
メモ:菓子と称してTクラスに睡眠薬を投与したエージェントTigaには後で何か買ってやろう。彼のおかげで、この状態になった者への対処法と、一度眠ればこの状態が解けるということが判明したわけだからな。
〈実験02〉
曲名:▅▅▅▅▅▅▅
対象指定:特になし。ただしFCP-050の歌唱中、ティラール職員には▅▅▅▅▅▅▅▅をプレイさせる。
結果:FCP-050の歌唱中にプレイした全ゲームにて、ティラール職員は勝利していました。これにより、エリアE-1の資金は▅▅▅▅▅▅円増加しました。実験後、FCP-050と本実験に関わった全職員には記憶処置を施し、この曲と今回の実験についての記憶を消去しました。
メモ:本当はやりたくないが、悪用防止の為だ、仕方ない。金を手に入れても、始末されたら元も子もないからな。
〈実験03〉
曲名:ミッション!健・康・第・イチ
対象指定:特になし。カラオケ音源を流しながらの歌唱。
結果:エリアE-1にいる全職員の体調が非常に良好になりました。
メモ:伴奏がつくだけでここまで力が増幅されるのか。おかげで二日酔いが治ったのはありがたいが、歌によってDangerクラスに匹敵する現象を起こすと考えると、とても恐ろしい。
〈実験04〉
曲名:▅▅▅▅▅▅▅▅▅▅
対象指定:特になし。
結果:FCP-050が歌い始めてから十秒後、T-3076の両目が爆発し、FCP-050は歌唱を中断しました。実験は中断され、医務室にてT-3076の治療が行われました。T-3076は両目を失った以外の負傷はなく、治療後のヒアリングにて花粉症の薬を飲み忘れていたことが判明しました。FCP-050には記憶処置を施し、この曲と今回の実験についての記憶を消去しました。
メモ:うん、まぁ、掃除は大変だったが、死ななかっただけマシだろう。
〈実験05〉
曲名:絶望レストラン
対象指定:特になし。
結果:FCP-050の歌唱中、目立った変化は見られませんでした。実験後にヒアリングを行うと、「高級フルコース料理を食べた感覚がする。満腹だし、満足感がある」という共通の証言をしました。
メモ:体感幻覚でも高級フルコース料理を食べれたTクラスが凄く羨ましい。
〈実験06〉
曲名:コインロッカーベイビー
対象指定:ミニチュアのコインロッカー。
結果:FCP-050の歌唱終了後、ミニチュアのコインロッカー内から胎児の死体が複数体 発見されました。それらはミニチュアのコインロッカーに入るほど小さく、DNA検査は実施できませんでした。実験後、FCP-050には記憶処置を施し、この曲と今回の実験についての記憶を消去しました。
メモ:これ選曲した奴、絶対こうなるとわかっててわざとやっただろ。
〈実験07〉
曲名:▅▅▅▅▅▅▅▅▅▅
対象指定:特になし。
結果:FCP-050が歌唱を始めて暫くの間は、目立った変化は見られませんでした。しかし歌唱が終わる少し前からティラール職員はパニックを起こしました。実験後に鎮静剤を投与した上でヒアリングを行うと、「曲の途中までは幸福感に満たされていたが、それが無くなったと同時に世界がグレースケールになった」という共通の証言をしました。FCP-050には記憶処置を施し、この曲と今回の実験についての記憶を消去しました。
メモ:色覚異常みたいなものか。暫くは様子を見て、ダメそうなら彼らは始末する。
〈実験08〉
曲名:Crazy∞nighT
対象指定:パソコン上のビデオウィンドウ。ルーム8の壁のみを映すように設置されたビデオカメラとリアルタイムで同期。
結果:FCP-050の歌唱に応じるように、映像内に八名の人物が現れ演劇に似た動きをみせました。しかしルーム内のカメラ映像やティラール職員、エージェントからは彼らは確認できませんでした。
メモ:ビデオウィンドウという指定をしていなかったらどうなっていたんだろうか。あの八人がその場に召喚されるのか、ティラール職員が代わりに動くのか。
〈実験09〉
曲名:悪いことはしちゃいけないよ
対象指定:白無地絵本。
結果:FCP-050の歌唱に応じるように、絵本にクレヨン調のイラストが描かれていきました。最終的に、歌詞をそのまま絵にしたような不思議な絵本が生成されました。
メモ:次の実験が楽しみだ。
〈実験10〉
曲名:悪いことはしちゃいけないよ
対象指定:白無地絵本。ただし歌唱前に動画投稿サイトのコメント欄にある考察をいくつか教える。
結果:FCP-050の歌唱に応じるように、絵本にクレヨン調のイラストが描かれていきました。しかしそのイラストは歌詞に反しており、最終的に一定のストーリーが整った絵本が生成されました。
メモ:私の仮説は正しかった。これをうまく使えば、危険な歌も安全な歌に変えられるはずだ。
〈実験11〉
曲名:怪盗Fの台本
対象指定:特になし。
結果:FCP-050の歌唱に応じるように、ルーム内に九名の人物が現れ演劇に似た動きをみせました。FCP-050が歌唱を終えると彼らは消えました。
メモ:女優役の一人以外は、服装は違えど実験08の映像に出てきた者達だったな。オークショニア役はFCP-050か。同じものが召喚されたのは、作曲者が同じだからか?
〈実験12〉
曲名:スイートフロートアパート
対象指定:特になし。
結果:FCP-050の歌唱に応じるように、ルーム内に八名の人物が現れ演劇に似た動きをみせました。FCP-050が歌唱を終えると彼らは消えました。
メモ:服装は違ったが、これまでの実験で出てきた人物だったな。なぜ彼らばかりが召喚されるんだ?
〈実験13〉
曲名:存在イマジネーション
対象指定:特になし。ただし、これまで召喚してきた人物をイメージしながら歌うように伝える。
結果:FCP-050の歌唱に応じるように、ルーム内に九名の人物が現れました。FCP-050に歌唱を中断させると、彼らは消えませんでした。
メモ:彼らが消えてしまう前に、彼らを交えてヒアリングを行う。
FCP-050ヒアリングログ
実行日:▅▅/▅▅/15:00~
質問者:Keith博士
前書:このヒアリングは実験記録02-実験13中に行われました。実験13にて現れた九名はFCP-050-A~Iと表記されます。
〈記録開始〉
Keith博士:まず、FCP-050。歌唱の中断に協力してくれてありがとう。
FCP-050:いえ、そんな。此方こそ、いつもいろんな歌を教えていただいてありがとうございます。
Keith博士:どういたしまして。さて、本題だけど。彼らは会話はできる?
FCP-050:できますよ。今回は役職が決められている歌での召喚ではないので、普通の会話ができるはずです。
Keith博士:じゃあ直接聞いた方が早いわね。貴方達は誰?
FCP-050-I:私達はコピー体。私は▅▅▅(FCP-050の渾名)の親友の、他の八人は▅▅▅の子供のね。
Keith博士:子供?
FCP-050-B:便宜上、子供って呼ぶだけ。親子とは、違う。
FCP-050-A:本物の私達は▅▅▅に作られたのっ。▅▅▅が人間界に行く、かなり前にねっ。
FCP-050-E:まぁ、私達はあくまで、▅▅▅の歌で生成されたコピー。だから、本物の私達は▅▅▅▅▅▅▅にいて、私達とは違うことをしているわ。
FCP-050-F:まっ、多分 歌ってると思うけどね!▅▅▅から作られたわけだし!
Keith博士:▅▅▅▅▅▅▅…、それが貴方の故郷なの、FC…いえ、▅▅▅?
FCP-050:あら、わざわざお名前を。ありがとうございます。えぇ、そうです、そこが私の故郷。この子達の家です。
FCP-050-H:いいとこだぜ、▅▅▅▅▅▅▅は。危険なモンスターも、危険な人間もいない。あるのは歌と自然だ。
Keith博士:そうなのね。少しだけ話を戻すけれど、▅▅▅、彼らを作った理由を聞いても?
FCP-050:私はずっと、ほとんど一人でした。…いえ、これだとちょっと語弊がありますね。周囲に誰もいないってわけではないけれど、好んで近づいてくるのは彼女(FCP-050-I)くらいでした。…歌いたい歌を歌いたいときに歌うという行為、それに私が混ざるだけで危険になりかねない。だからきっと、あまり近寄りたくない存在だったのでしょうね。
FCP-050-I:先に言っとくけど、私に理由を聞いても答えられないからね。私はコピーであって私本人ではないから。
Keith博士:…えぇ、聞く前にそれを教えてくれてありがとう。…ところで、貴方はあの事件以来、ここで保護しているわけだけれど。本物の彼らもここで保護することに対して、貴方はどう思う?
FCP-050:…そうですね、理由をお聞きしても?
Keith博士:▅▅▅▅▅▅▅というところがどれほど人間社会から離れた場所にあるかはわからないけれど、この世界にある限り、人間が生きている限り、いずれその場所は発見されるわ。発見されて何もないならいいけれど、人間はいい人ばかりとは限らない。悪用されたり、何かしら害を与えられる可能性もあるわ。この施設の中に閉じ込められるのは少し窮屈かもしれないけれど、少なくとも安全ではあるわ。
〈記録終了〉
後書:ヒアリング終了後、FCP-050は歌唱を再会しFCP-050-A~Iは消えました。FCP-050-A~Iの本物となりうる妖精達の捕獲・保護について、FCP-050は控えめながらも積極的なように振る舞っています。
FCP一斉捕獲作戦050 報告書
3月▅▅日、FCP-050の実験により存在が判明した8体のFCPの捕獲作戦が実行されました。作戦にはKeith博士と4名のエージェントが動員されました。▅▅▅▅▅▅▅には実験で現れたFCP-050-A~Hの本物と思われる妖精の他に、六名の妖精もいました。FCP-050の説得により妖精達は捕獲・保護に同意を示し、自ら収容されました。ただしFCP-050-Eのみ反抗的だった為、半強制的に収容されました。
FCP-050-Iの本物となりうる妖精は▅▅▅▅▅▅▅内では発見できませんでした。一部の職員からいくつかの仮説が上がっていますが、現在 慎重に調べを進めています。
事象報告050
▅▅月▅▅日、▅▅▅▅▅▅▅内にてFCP-050-Iの本物と思われる妖精が発見されました。発見当初、FCP-050-Iは▅▅▅▅▅▅▅の樹の近くにおり、駆け付けた現地エージェントに敵対心を示しました。その際にFCP-050-Iは薄紫色の霧を放出し、それを吸い込んだエージェントの半数が戦意を喪失しました。Keith博士の説得にてFCP-050-Iは霧の放出を停止し、ヒアリングに応じました。霧を吸引したエージェントは活力の低下がみられ、個人差が顕著に見受けられました。しかしいずれも二時間後には自然回復しました。
FCP-050-Iヒアリングログ
実行日:▅▅/▅▅/09:32~
質問者:Keith博士
前書:このヒアリングは、▅▅▅▅▅▅▅内のエージェント用車両内にて行われました。
〈記録開始〉
Keith博士:…そうね、どこから聞こうかしら…。
FCP-050-I:あなたが聞かないなら私が聞くわ。みんなをどこにやったの?答え次第では、あなたも私の妖気の餌食になってもらうわ。
Keith博士:…妖気、あの霧はそれだったのね。此処に居た妖精達はみんな保護してるわ。貴方のように見つけられなかった妖精は除いて、ね。一般的に言うオカルト的な存在である彼らは、一般市民に見つかれば危険な事件に巻き込まれかねないわ。金目的で捕獲されたり、誤った知識を吹き込まれ危険な兵器にされたり、破壊されたり…そういう事態を防ぐために。
FCP-050-I:…嘘は、言ってないわね。それでも態々 元の住処から遠ざけるあたり、結局は管理性を重視してるわけ。
Keith博士:…それについては否定はできないわ。でもそれが一番安全性が高いの。私達も様々な力を使ってこの場所を隠しているけれど、人間である以上 ずっと完璧に隠し通し続けられる保証はないわ。現にこうして、貴方に侵入されているわけだもの。防犯カメラに人感センサー、エージェントの警備を潜り抜けられて。
FCP-050-I:妖気で気配を消してただけよ。見つかった時は、ここの変わり様に驚いて妖気を止めてしまってた。…この話し合いが終われば、私もそこに連かれるのかしらね。
Keith博士:それが私達の役目なの。それに貴方の仲間もそこにいて、快適に日々を送ってる。悪い話ではないと思うけど。
FCP-050-I:そうされた場合、私の活動の自由は?
Keith博士:決められたエリアの範囲内で、となるわ。でも中庭や疑似的な娯楽施設があるし、そこの利用はある程度は自由よ。貴方の仲間達も、エリアの中で楽しく歌ってる。
FCP-050-I:ならそれは悪い話ね。私の歌は娯楽であり仕事、行動を制限されたら仕事どころじゃないわ。
Keith博士:…仕事?
FCP-050-I:仕事はどうなるの?
Keith博士:貴方は一般社会で仕事を…?
FCP-050-I:…ねぇ、私とあなたの会話って、外に流出したりはしないわよね。
Keith博士:え…?え、えぇ、私達の組織の中ではやりとりされるけど、門外不出よ。
FCP-050-I:…そう、ならいいわ。
(FCP-050-Iの容姿が変化。髪と目は黒く、顔つきも少しばかり柔らかなものに)
Keith博士:…!…その姿…。……なるほどね、人間と同じ外見をすることで、▅▅▅▅を行ってたのね…[編集済み]さん。
FCP-050-I:話が早くて助かるわ。だから、悪い話と言ったのよ。それでも無理矢理、私を保護するつもり?
Keith博士:…正直なところ、貴方を保護する必要はないわ。貴方は一般社会にきちんと馴染んでいるから、私達が下手に手を出すのは逆効果になりかねない。上からの指令があったら話は別だけど、その場合は大規模な記憶処置とカバーストーリーの流布が必要になってしまうから…貴方が一般社会に危害を与えない限りは、指令は出ないはず。
FCP-050-I:危害なんて起こすつもりはないわ。私はそんな物騒な妖精じゃないし、今の平和な世界をずっと望んでる。あの妖気も自衛の為に使うだけだし、歌唱で出てしまう分はファンとアンチの二極性を生み出してるだけだもの。あの妖気を綺麗と思うか、気持ち悪いと思うかで。
Keith博士:…それならいいわ。
FCP-050-I:…聞きたいことがあったんじゃないの?
Keith博士:会話の中で聞けたから十分よ。…あ、でも、一つあったわ。▅▅▅(FCP-050の渾名)から聞いた話では、彼女に好んで近付いてきたのは貴方だけだったらしいわね。
FCP-050-I:…歌と力に惹かれたの。私も、妖気の力が強めに出てるとはいえ、歌の妖精であることに変わりはないから…歌が上手い妖精には、自然と興味が湧くの。▅▅▅の力は、確かに怖かったけれど…歌詞さえ気を付ければ問題ないってわかれば、どうってことはなかったし。…それに、▅▅▅はとても優しいのよ。あんな強い力があるのに、誰かを支配したり操ったりなんてことをしない。最初は歌と力だったけど、今ではその優しさにひかれてるわ。
Keith博士:それはいいことね。…これでおしまいよ、それじゃ…。
FCP-050-I:記憶処置とかいうのを私に行うわけ?
Keith博士:…鋭いわね。そうよ。この場所の事については貴方の故郷だから消さないけれど、私達と会ったことやここで私と話したことに関しては消させてもらうわ。私達の活動は秘密裏に行われるべきことだから。
FCP-050-I:…なら、一ついいかしら。記憶処置っていうのがどういう手順で行われるかは知らないけど…▅▅▅はこの場所で変わらず元気に暮らしてるって、そう記憶させて。
〈記録終了〉
後書:FCP-050-Iは記憶処理の後に開放されました。FCP-050-Iの捕獲免除については、HDクラス職員会議により許可されています。
